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Z世代の「とりせつ」|「すぐメンタルって言う」若手は、本当に打たれ弱いのか──産業医が解説

  • 執筆者の写真: Nabefa
    Nabefa
  • 6月15日
  • 読了時間: 5分

「最近の若手は、すぐメンタルって言うんですよね」


人事ご担当者や管理職の方との打ち合わせで、ここ数年、明らかに増えた相談です。


「すぐ休むし、すぐ辞める。打たれ弱いというか、どう接していいか分からない」──そんな戸惑いの声を、産業医として何度も聞いてきました。


ですが、現場を見ていて思うのは、Z世代は決して「打たれ弱い」わけではない、ということです。問題は、世代特有の心理構造を理解しないまま、旧来のやり方で接してしまうことにあります。


この記事では、Z世代のメンタルをめぐって企業の現場で起きていることを、産業医・心療内科医の視点から整理します。


Z世代の「とりせつ」|「すぐメンタルって言う」若手は、本当に打たれ弱いのか──産業医が解説
Z世代の「とりせつ」|「すぐメンタルって言う」若手は、本当に打たれ弱いのか──産業医が解説

Z世代が辞めていくのは「打たれ弱いから」ではない


結論からお伝えします。


Z世代が不調を抱え、辞めていくのは、メンタルが弱いからではありません。


即時のフィードバックを求める感覚と、「失敗したくない・目立ちたくない」という拒否回避の志向。この世代特有の構造を理解せずに接するから、すれ違いが生まれます。


「最近の若者は」で片付けるのではなく、世代の特性を構造として捉え直すこと。ここが、Z世代対応の出発点です。


数字で見る、Z世代の現実


まず、感覚論ではなくデータで現状を確認します。


日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所の調査では、「心の病」が最も多い年齢層は20代で、2014年の調査と比べて約2倍の水準まで増えています。


さらに、パーソル総合研究所の調査では、次のような実態が示されています。


・メンタル不調を経験した人の退職率は全体で25.3%だが、20代は3人に1人(35.9%)が退職している


・職場での相談に抵抗を感じる20代は68.0%


・「相談すると評価が下がる」と懸念している20代は39.6%


つまり、不調を抱えていても7割近くが相談せず、企業から見えないところで静かに辞めていっています。


「最近の若手はすぐ辞める」は、気のせいではありません。ただ、その理由を「メンタルが弱いから」と一括りにすると、本質を見誤ります。


労働環境を改善しても、若手の離職が止まらない理由


ここで、多くの企業が見落としているポイントがあります。


この10年、企業は労働時間の短縮や有給取得率の向上に努めてきました。働きやすい環境づくりは、確実に進んでいます。


それでも、若年層の離職率は下がっていません。


「働きやすさ」だけでは、Z世代が抱えるしんどさの根っこに届いていないからです。労働時間や休暇制度といった「目に見える部分」をいくら改善しても、Z世代特有の心理構造に手を打たなければ、離職は止まりません。


Z世代を動かしている「価値観」と「ストレス要因」


では、その心理構造とは何か。


産業医として面談を重ね、Z世代研究のデータと照らし合わせる中で見えてきたのは、彼らが共通して持つ価値観です。


SNSネイティブで、常に他者と比較される環境にいる。タイムパフォーマンスを重視する。「自分らしさ」を大切にしたい。そして、フィードバックは自分から出したくはないけれど、相手からは欲しい。


この価値観に、いくつかのストレス要因が掛け合わさります。「失敗したくない」というプレッシャーの強さ。そして、メンタル不調をキャリアへの悪影響と捉え、重症化するまで相談・受診をしないという回避の傾向。


こうした価値観とストレスが組み合わさると、Z世代は独特のジレンマを抱えます。正解は欲しいが、自分が不正解になるリスクは冒したくない。自分らしくありたいが、浮いて叩かれるのは怖い──。


この葛藤の構造が分かると、「すぐメンタルって言う」の見え方が変わってきます。


「気合いで乗り切れ」が、いちばん効かない世代


ここまで読むと、従来のマネジメントがなぜ通用しないのかが見えてきます。


「分からないことがあれば聞いてきて」「自分の若い頃はこれくらい当たり前だった」──こうした、相手に歩み寄りを求めるスタンスは、Z世代には響きません。むしろ、相談のハードルをさらに上げてしまいます。


では、どう接すればいいのか。


鍵になるのは、不調を「事例性」で捉えること。そして、産業保健職・人事・管理職が、バラバラにではなく一体となって対応する仕組みをつくることです。


具体的には、次のような論点があります。


・不調の「事例性」を、現場でどう見抜くのか


・産業保健職・人事・管理職、それぞれが具体的に何をすべきか


・相談に抵抗のあるZ世代に、どうやって最初の一歩を踏み出してもらうのか


・メンタルケアの「その先」にある、ワークエンゲージメント向上までをどう設計するか


これらの具体的な打ち手の全体像については、2026年6月18日(木)に開催するセミナーで、産業保健の視点から徹底的に解説します。


セミナーのご案内|Z世代を育てるためのメンタル対策


エムスリーキャリア株式会社の主催で、代表・薮野が以下のセミナーに登壇します。


「Z世代を育てるためのメンタル対策」


・日時:2026年6月18日(木) 11:00〜/12:00〜/13:00〜(各回1時間・同一内容)


・形式:オンライン(参加無料)


・対象:労働衛生に携わる方、メンタル不調による休職・退職への対応に苦慮している方、産業保健施策に手応えを感じられない方


・特典:終了後のアンケート回答で講演資料をプレゼント


・※同業他社の方のご参加はご遠慮いただいております


この記事で触れた「Z世代を構造で捉える」考え方を、産業保健職・人事・管理職それぞれの具体的な打ち手まで落とし込んでお話しします。


「若手対応、何から手をつければいいか分からない」と感じている人事・産業保健スタッフの方に、明日から検討・実践できる視点をお持ち帰りいただける内容です。



まとめ


・Z世代が辞めていくのは「打たれ弱いから」ではなく、世代特有の心理構造によるもの


・「心の病」が最も多いのは20代で、2014年比約2倍。20代の3人に1人がメンタル不調をきっかけに退職している


・相談抵抗感は68.0%。不調を抱えても7割近くが相談しない


・労働環境の改善だけでは離職は止まらない。世代の特性を「構造」として捉え直すことが出発点


・具体的な打ち手は、6月18日のセミナーで解説


「最近の若手は」と感じたときこそ、世代の取扱説明書を一度アップデートしてみてください。見え方が変わるはずです。



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・CrossFit Aoyama(厚労省認定・運動療法施設):https://www.crossfitaoyama.com


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