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若手社員のメンタルヘルス不調が増えている|産業医が見る現場のリアルと対策

  • 執筆者の写真: Nabefa
    Nabefa
  • 3月31日
  • 読了時間: 6分

「最近の若手、急に来なくなるんです」


産業医として15社以上の企業を担当する中で、人事担当者からこの言葉を聞く回数が明らかに増えました。入社1〜3年目の若手社員が、ある日突然メンタルヘルス不調で休職する。上司も同僚も「まさかあの子が」と驚く。こうしたケースが、業界を問わず増加しています。


この記事では、産業医として日々若手社員と面談している薮野淳也が、若手のメンタルヘルス不調が増えている背景と、企業が取るべき具体的な対策をお伝えします。


若手社員のメンタルヘルス不調が増えている|産業医が見る現場のリアルと対策
若手社員のメンタルヘルス不調が増えている|産業医が見る現場のリアルと対策

若手社員のメンタルヘルス不調はどれくらい増えているのか


厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査」によると、仕事や職業生活に関して強い不安やストレスを感じている労働者の割合は82.7%にのぼります。


特に注目すべきは20代の変化です。パーソル総合研究所の調査(2025年)では、2019年と比較して若手のキャリア意識に大きな変化が見られました。


・「やりがいのある仕事がしたい」:2019年比で8.2%低下


・「仕事を通じて成長したい」:2019年比で8.9%低下


・「テレワークや在宅勤務を希望」:2019年比で28.6%上昇


この「低体温化」とも呼ばれる現象は、若手が仕事に対して消極的になったのではなく、仕事に求めるものが変わったことを意味しています。やりがいや成長よりも、心身の安全・安定を優先する傾向が強まっているのです。



産業医面談で見える若手のメンタルヘルス不調の特徴


私、薮野淳也が産業医面談で接する若手社員には、共通する特徴があります。


「我慢してから爆発する」パターン


若手社員の多くは、不調のサインが出てから相談に来るまでにかなりの時間が経過しています。「迷惑をかけたくない」「まだ大丈夫だと思っていた」という声が多く、限界を超えてから一気に休職に至るケースが目立ちます。


「相談相手がいない」問題


リモートワークの普及により、上司や同僚との雑談が激減しました。ちょっとした悩みを気軽に話せる場がなくなり、一人で抱え込む若手が増えています。パーソル総合研究所の調査でも、若手が求めるのは「親密さや人的交流」よりも「職場・会社・仕事のリアリティ」であることが示されています。


「期待と現実のギャップ」


入社前のイメージと入社後の現実のギャップ、いわゆるリアリティショックは以前から存在していましたが、コロナ禍以降のオンライン採用・オンライン研修により、企業文化や職場の雰囲気を肌で感じる機会が減少したことで、そのギャップがさらに大きくなっています。



なぜ上司は若手の不調に気づけないのか


若手社員のメンタルヘルス不調に気づけない上司にも、構造的な理由があります。


・プレイングマネージャー化: 管理職自身がプレイヤーとして忙しく、部下を観察する余裕がない。パーソル総合研究所の調査では、この傾向が1990年代の成果主義導入以降に強まったと指摘されています。


・リモートワークでの非言語情報の欠落: 対面であれば気づける「顔色が悪い」「元気がない」といったサインが、画面越しでは見落とされがちです。


・パワハラ懸念による距離感: 「踏み込みすぎるとハラスメントになるのでは」という不安から、適切な声かけすらできない管理職が増えています。


こうした課題に対応するためには、管理職向けのラインケア研修が不可欠です。部下の異変に気づく力と、適切な声かけの方法を学ぶことが、若手社員のメンタルヘルス不調の早期発見につながります。ラインケア研修の重要性については「ラインケア研修の重要性と導入ポイント」で詳しく解説しています。



若手社員のメンタルヘルス対策|企業が取るべき5つのアプローチ


1. 入社初期の「安全基地」を作る


入社1年目は最もメンタルヘルスリスクが高い時期です。メンター制度やバディ制度を導入し、気軽に相談できる先輩社員を明確にすることが効果的です。


2. 1on1ミーティングの質を高める


形だけの1on1は逆効果です。業務の進捗確認だけでなく、「最近困っていること」「体調面で気になること」を必ず聞く習慣をつけましょう。上司のコミュニケーション力を高めるためにも、ラインケア研修の導入をお勧めします。


3. ストレスチェックを「やりっぱなし」にしない


ストレスチェックは実施するだけでは意味がありません。集団分析の結果を部署ごとにフィードバックし、具体的な改善策につなげることが重要です。若手が多い部署のストレス傾向を分析することで、早期介入が可能になります。


4. 産業医面談のハードルを下げる


若手社員にとって、産業医面談は「呼び出される=問題がある」というイメージが強いです。定期的な全員面談や、気軽に相談できるオンライン面談の仕組みを作ることで、不調が深刻化する前に介入できます。


5. 運動習慣の支援


運動がメンタルヘルスに効果的であることは、多くの研究で実証されています。企業として従業員の運動機会を提供することは、メンタルヘルス対策としても有効です。当社ではCrossFit Aoyama(厚労省認定 運動療法施設)を活用した法人向け運動プログラムを提供しています。



若手社員が休職した場合の対応


早期発見・早期対応が最善ですが、それでも休職に至るケースはあります。その場合に重要なのは、「正しく休ませること」と「スムーズな復職支援」です。


休職中の対応については「従業員の正しい休ませ方」、復職に向けた準備についてはStay Fit Clinic(心療内科)の復職支援ガイドで詳しく解説しています。



なべふぁの若手メンタルヘルス支援


株式会社なべふぁでは、代表の薮野淳也(社会医学系専門医・認定産業医・MPH)が、若手社員のメンタルヘルス対策を包括的にサポートしています。


・産業医面談: 若手社員が相談しやすい雰囲気づくりと、早期発見・早期介入を重視した面談スタイル


・ラインケア研修: 管理職向けのラインケア研修で、部下の異変に気づく力と適切な声かけの方法を実践的に指導


・医療連携: Stay Fit Clinic(心療内科・内科)との直接連携で、メンタルヘルス不調者の診療から復職支援まで一貫対応


・WellFitプログラム: チームビルディング×運動プログラムで、部署内のコミュニケーション活性化と若手の孤立防止を支援


・著書: 薮野淳也著『産業医が教える会社の休み方』(中公新書ラクレ)では、休職・復職のプロセスを当事者目線で解説しています


若手社員のメンタルヘルスでお悩みの企業様は、お気軽にご相談ください。




 
 
 

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