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正しい会社の休ませ方|産業医が教える「制度を活かす」休職・復職対応

  • 執筆者の写真: Nabefa
    Nabefa
  • 2月17日
  • 読了時間: 6分

「体調が悪そうな従業員がいるけど、どう対応すればいいかわからない…」


私、薮野淳也は15社以上の企業で嘱託産業医を務めていますが、人事担当者からこうした相談を受ける機会が増えています。メンタルヘルス不調による休職者が増える中、従業員を「正しく休ませる」ことは、企業のリスク管理と人材確保の両面で極めて重要です。


著書『産業医が教える会社の休み方』(中公新書ラクレ)の中でも書きましたが、「会社のルールの中で、正しく休ませる。それが従業員を守り、会社を守る最善の方法」です。


この記事では、企業の人事担当者・経営者向けに、従業員を適切に休ませるための制度活用と、休職・復職対応の実務ポイントを産業医の立場から解説します。


従業員の正しい休ませ方|産業医が教える「制度を活かす」休職・復職対応
従業員の正しい休ませ方|産業医が教える「制度を活かす」休職・復職対応

なぜ「正しい休ませ方」が重要なのか


「休ませない」リスク


体調不良の従業員を休ませずに働かせ続けると、企業には以下のリスクが生じます。


・安全配慮義務違反: メンタルヘルス不調を認識しながら対応しなかった場合、損害賠償責任を問われる可能性がある


・プレゼンティーイズムによる生産性低下: 体調が悪いまま出勤しても、パフォーマンスは大きく低下する。ある研究では、メンタルヘルス不調によるプレゼンティーイズムの損失額は、休職(アブセンティーイズム)の3倍以上とされている


・休職の長期化: 早期に対処すれば数日〜数週間で回復できたケースが、放置することで数か月の休職に発展する


「3日休ませれば防げた休職が、3か月の休職になる。」 これは薮野淳也が産業医として何度も目にしてきた現実です。


会社の「休ませ方」を間違えるリスク


一方で、会社の休ませ方を間違えると別の問題が生じます。


・制度に基づかない休業は労務トラブルの原因になる


・休職期間の設定が曖昧だと、復職の判断が困難になる


・休職中の連絡方法や頻度が決まっていないと、従業員が孤立する


会社のルールに則って、正しい手順で休ませることが大切です。



段階的な対応|いきなり休職にしない


従業員の体調不良に気づいたとき、いきなり「休職してください」と伝えるのは得策ではありません。 段階的な対応を心がけましょう。


ステップ1:産業医面談の設定


管理職や人事が異変に気づいたら、まず産業医面談を設定するのが最優先です。管理職が部下の異変に気づくポイントは、ラインケア研修で学ぶことができます。


産業医面談では、従業員の状態を専門的に評価し、必要な対応を判断します。薮野淳也は産業医面談において、「この従業員に今必要なのは何か」を見極めることを最も大切にしています。


ステップ2:就業上の配慮


休職の前に、就業上の配慮で対応できるケースは多いです。


・残業の制限(残業禁止、月○時間以内)


・業務量の調整(担当業務の一時的な変更・削減)


・在宅勤務への切替


・時短勤務の活用


・出張の制限


これらの配慮は、産業医が意見書として企業に提出し、人事部門が実施するのが一般的です。長時間労働が原因の場合は、「長時間労働と産業医面談」も参考にしてください。


ステップ3:医療機関への受診勧奨


就業上の配慮だけでは改善が見込めない場合、心療内科や精神科の受診を勧めます。


ここで重要なのは、「受診を勧めて終わり」にしないことです。当社ではStay Fit Clinic(心療内科・内科)と連携しているため、産業医面談から診療までシームレスにつなげることができます。


ステップ4:休職の判断


主治医から「休業を要する」という診断書が出された場合、就業規則に基づいて休職手続きを行います。 休職は「最終手段」であり、上記のステップを踏んだ上での判断です。



休職対応の実務チェックリスト


休職開始時


・就業規則の休職規定を確認する — 休職期間の上限、欠勤期間との通算方法、休職中の給与の取り扱い


・傷病手当金の案内をする — 健康保険から給与の約2/3が支給される(最長1年6か月)。手続きの負担を人事が支援することで、従業員の不安を軽減できる


・休職中の連絡方法とルールを決める — 月1回程度の定期連絡が望ましい。頻度や手段(メール、電話、面談)を本人と合意しておく


・産業医との連携体制を確認する — 休職中も産業医が定期的に状況を把握できる仕組みを作る


休職中


・定期的な状況確認を行う — 本人の回復状況、生活リズムの改善状況を確認


・主治医の意見を確認する — 復職の見通しについて情報を得る(本人の同意が必要)


・復職に向けた準備を段階的に進める — 生活リズムの安定、通勤練習、試し出勤など


復職判断


・主治医の復職可能の診断書を取得する


・産業医面談で復職の可否を評価する — 主治医の「復職可能」は必ずしも「元の業務に戻れる」を意味しない。産業医が職場の実情を踏まえて判断する


・復職プランを策定する — 業務内容、勤務時間、配属先、フォローアップの計画を事前に決める


復職支援の具体的な流れは、Stay Fit Clinicのブログ「休職から復職へ」で詳しく解説しています。



「休ませ上手」な会社になるために


制度を整備する


・就業規則に休職・復職のルールを明記する


・傷病休暇制度(有給)の導入を検討する


・有給休暇の取得を促す仕組みをつくる — 令和5年の調査で有給取得率は62.1%。4割近くが未消化


管理職を教育する


「休ませ方」の第一歩は、管理職が部下の異変に気づくことです。ラインケア研修を通じて、以下のスキルを身につけることが重要です。


・部下の異変に気づくポイント


・声のかけ方と傾聴スキル


・産業医や人事への相談のタイミング


予防的な取り組みを行う


休職者が出てから対応するのではなく、予防的な健康支援に投資することが最も費用対効果が高い方法です。



・運動プログラムの導入 — 当社ではCrossFit Aoyama(厚労省認定 運動療法施設)を活用した従業員向け健康増進プログラムを提供しています


・健康セミナーの実施WellFitプログラムでは、セミナーとチームビルディングを組み合わせた研修を提供しています


健康経営優良法人の認定取得を目指す企業にとっても、これらの取り組みは認定基準の多くをカバーします。



なべふぁの休職・復職支援体制


株式会社なべふぁの代表・薮野淳也は、自身の適応障害の経験と、15社以上での産業医経験をもとに、「正しい休ませ方」を企業と一緒に構築しています。


著書『産業医が教える会社の休み方』(中公新書ラクレ、2024年12月刊)では、このテーマをさらに深く掘り下げています。


なべふぁの三位一体サポート:


・産業医面談: 就業上の配慮の提言、休職・復職判断、段階的な復職プランの設計


・医療: Stay Fit Clinic(心療内科・内科)で、診療から復職支援まで一貫対応


・運動: CrossFit Aoyamaで、復職準備中の運動療法や従業員の健康増進をサポート


産業医契約をご検討中の企業様は、以下の記事もご覧ください。







 
 
 

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