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メンタルヘルス研修の企画方法|人事が依頼前に整理したい5つのこと

10月1日
読了時間: 5分

『今年もメンタルヘルス研修をお願いします』。担当になったものの、テーマが広く、何から決めればよいか迷うことはないでしょうか。


講師や日程を探す前に、誰が、どんな場面で困っていて、受講後に何ができるようになってほしいかを言葉にすると、研修の内容を選びやすくなります。


この記事では、企業の人事・研修担当者が依頼前に整理したい五つの項目を、企画メモの例と一緒に紹介します。


メンタルヘルス研修の企画をテーマにした、なべふぁロゴ入りのイメージ

1.対象者を決める


全社員に向けたセルフケアと、部下を持つ管理職の対応、人事の休職・復職の実務では、必要な内容が異なります。同じ研修を一律に受けてもらう前に、対象者を具体的にします。


  • 全社員:自分の変化への気づき、対処の選択肢、相談先の確認

  • 管理職:部下への声かけ、仕事の調整、専門職へのつなぎ方

  • 人事:制度と現場の調整、診断書の確認、関係者の役割分担


複数の立場が参加する場合は、共通して学ぶ内容と、担当別に考える時間を分ける方法があります。人事向けの制度運用の話だけで、全社員向けの時間が終わらないようにします。


公的な参考教材として、厚生労働省「こころの耳」の職場のメンタルヘルス研修ツールには、対象やテーマに応じたコンテンツが用意されています。教材を利用する際は、各資料の利用条件も確認してください。


2.テーマ名よりも、困っている場面を共有する


『適応障害について学びたい』だけでは、病気の解説が中心なのか、上司の対応を練習したいのかが分かりません。依頼するときは、場面を一つ添えます。


  • 部下から相談があったとき、上司が何を聞いてよいか迷っている

  • 診断書が出た後、人事と現場で仕事の調整が進まない

  • 復職前に確認する内容が、担当者ごとに異なっている


これらは企画を整理するための例です。相談時点で実在する社員の氏名、病名、診断書の画像を送る必要はありません。個人を特定しない形で、会社として困っている対応を伝えます。


3.受講後に持ち帰る行動を一つ決める


『理解を深める』だけでなく、研修後にどのような行動を取ってほしいかを考えます。たとえば管理職向けなら、『体調を決めつけず、仕事で気づいた変化を伝えられる』『相談窓口と連絡手順が分かる』という目標です。


90分で声かけ、病気の理解、すべての労務対応、復職支援まで完結させようとすると、確認したいことが多すぎます。一度に扱う範囲を絞り、必要なら回を分けます。


ラインケア研修そのものの役割は、ラインケア研修の解説記事にまとめています。このページでは、依頼のための企画づくりに焦点を当てます。


4.対面・ライブ配信・収録動画を、届け方から選ぶ


対面やオンラインライブ


その場で質問したい、会話の練習をしたい、自社の手順をすり合わせたい場合の選択肢です。オンラインでは、参加者が安心して話せる環境や、録画の有無も事前に確認します。


収録動画


拠点や勤務時間が異なり、同じ時間に集まりにくい場合の選択肢です。一方、視聴だけでは質問や個別の疑問が残ることもあります。質問を受け付ける窓口や、補足の場を用意できるかを考えます。


どちらが常に優れているわけではありません。視聴期限、繰り返し利用、配布先、資料の扱い、録画の権利など、契約や運用に関わる条件は講師と事前に確認します。


5.研修後の相談先と、評価の方法を決める


研修をきっかけに相談が出ることも想定して、社内の担当者や産業保健の窓口につなげる準備をします。研修の質問時間で、個別の診断や人事上の結論を出す設計にはしません。


評価では満足度だけでなく、『相談先が分かったか』『次に試す行動が具体的になったか』など、企画時の目標に沿って確かめます。必要なら後日、実践しづらかった点を聞き、手順や職場環境の見直しにつなげます。


一度の研修後に休職者数が変わっても、研修だけの効果とは限りません。人数の増減だけで成否を判断せず、対象人数や職場の状況、ほかの取り組みも踏まえて振り返ります。


講師への相談に使える、企画メモ例


最初から完成した企画書は不要です。次の程度まで整理できれば、講師と内容を相談しやすくなります。以下は架空の例であり、特定企業の実績ではありません。


  • 対象:新たに部下を持った管理職

  • 困っている場面:体調の相談があった際、どこまで聞くか迷う

  • 持ち帰ること:最初の声かけと、社内相談先へのつなぎ方

  • 形式:オンラインライブ。講義と架空事例の検討を希望

  • 事前に共有すること:自社の相談窓口、管理職の権限、参加人数

  • 研修後:人事が質問を受け付け、社内手順の疑問点を整理する


日程や人数が未確定でも、分かっている範囲で伝えます。費用を相談するときは、時間、参加対象、実施形式、録画や資料利用の希望をそろえると、見積もりの条件を比較しやすくなります。


よくある質問


テーマがまだ決まっていなくても相談できますか?


なべふぁでは、対象者と困っている場面を伺う段階からご相談いただけます。適応障害への対応、休職・復職、ストレスコーピングなど、目的に合わせて内容を検討します。


研修を1回だけ依頼することはできますか?


なべふぁの適応障害マネジメントセミナーは、1回からのご依頼にも対応しています。対象者や希望する内容を伺い、扱う範囲をご相談します。


料金は決まっていますか?


対象者、人数、実施形式、時間、内容調整や動画・資料利用の条件を確認してご案内します。料金はお問い合わせください。


なべふぁのセミナーについて


産業医・心療内科医の薮野淳也が、会社側と働く本人の両方に関わる立場から、気づき・休職・復職の場面を扱います。現在の産業医を変更せず、研修のみのご依頼も可能です。



幅広い健康テーマを検討している場合は、企業向け健康セミナー・カスタマイズ研修の案内もご覧ください。


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執筆者


薮野 淳也|株式会社なべふぁ 代表取締役・産業医・心療内科医


企業の産業保健業務と、Stay Fit Clinicでの働く方の診療に携わっています。著書『産業医が教える 会社の休み方』(中公新書ラクレ)。プロフィール・会社紹介


本記事は一般的な情報と実務上の整理例です。個別の診断・治療や法的判断に代わるものではありません。紹介画像は生成したイメージであり、実際の参加者・開催風景ではありません。内容確認・更新日:2026年10月7日。

 
 
 

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